今回ご紹介する伊豆の国市のお客様も、まさにそのようなご相談でした。
1年ほど前に天井へ小さなシミを発見したものの、しばらく様子を見ていたら半年後には大きく広がり、別の場所にもシミが出てしまったとのこと。
「これはさすがに放っておけない…」と、当店へ調査依頼をいただきました。

現場を拝見すると、一見するととても斬新でモダンな屋根。
しかし、屋根材の重なり部分のつくりが複雑で、水が溜まりやすい形状になっており、
施工者としては「雨仕舞が悪く、雨漏りのリスクが高いな」とすぐにわかる造りでした。

今回は水をかける「散水調査」を実施。
複雑な雨漏りは原因特定に時間がかかることも多いのですが、
幸い短い調査で 浸水ポイントを特定 することができました。

屋根を開けて内部を確認すると、
屋根の下地となる“野地板”がかなり腐食している状態。
雨が長期間入り込んでいたことが十分にうかがえます。

まず最初に行うのは、雨漏りで傷んだ野地板の交換です。
ここが弱ったままでは、どんなに表面をきれいにしても根本解決にはなりません。
しっかりと新しい野地板へ張り替えることで、屋根全体の強度も回復します。
次に、防水材となるアスファルトシングルを、既存屋根のすき間へ丁寧に差し込みながら補修していきます。
この作業は細かい調整が必要で、差し込み箇所にはシーリング材で雨水の侵入を防止します。

屋根の左右の端（ケラバ部分）は、より確実な雨仕舞を行うため、
板金で新しく納め直しました。
こうすることで、風雨による吹き込みも防ぐことができます。

今回は無理のない形状で雨水が流れるように調整し、
今後同じようなトラブルが起きにくい屋根へと改善しています。