鉄部の塗装は、まず“下地づくり”が肝心です。
今回は、錆止め効果と下地密着性を兼ね備えた「ワンツーマイルド」という塗料を使用しました。

「ワンツーマイルド」は、錆止めと下塗りを一度に仕上げられる便利な塗料で、通常は別々に行う工程をまとめることができます。
これにより、品質を保ちながらも作業効率を高めることができました。

下塗りの前には、サビや古い塗膜を落とす「ケレン作業（研磨作業）」を行い、表面をなめらかに整えています。
見えない部分ですが、この作業を丁寧に行うことで、塗装の持ちが大きく変わります。

下塗りがしっかり乾燥した後、上塗りには「クリーンマイルドウレタン」を採用しました。
鉄部塗装にはウレタン系塗料が適しており、

・金属面への密着性が高い

・柔軟性があり、細かいひび割れにも対応

・美しいツヤが長持ちする

といった特徴があります。

最近ではシリコン塗料も人気ですが、鉄部の場合はウレタン塗料の方が相性が良く、耐久性・仕上がりともに優れています。

今回の塗装色は、黒に近い深みのある茶色を採用しました。
写真では少し暗く見えますが、実際は建物全体に調和する落ち着いたトーンです。

 

また、オーナー様のご希望で洗濯物干し場の鉄製パイプも白から茶色へカラー変更を行いました。
職人によると、表面の凸凹が多くケレン作業に時間がかかったそうですが（笑）、その分仕上がりは非常にきれいで、建物全体の印象が引き締まりました。

ベランダの間仕切り板を支える枠部分も鉄製のため、こちらも同時に塗装を実施しました。
部分的に塗装を残すとムラが出てしまうため、全体の色を統一することで清潔感と高級感のある仕上がりになります。

鉄部全体の塗装には、ケレン・下塗り・上塗りを含めて約4日間をかけて丁寧に施工しました。
サビや汚れで暗く見えていた手すりが見違えるように美しくなり、オーナー様にも大変喜んでいただけました。