屋根の内部には「防水紙」と呼ばれるアスファルトルーフィングが敷かれていますが、これに多数の穴が空いていたことが原因で、雨水が屋根の下にまで浸入。
その影響で、屋根材の下地となる「野地板（のじいた）」が水分を吸い込んでしまい、場所によっては腐食していたり、カビで真っ黒に変色してしまっている状態でした。

こうなってしまうと部分的な修理では済まず、下地である野地板をすべて新しいものに交換する必要があります。
まさに「屋根をゼロから作り直す」ような大がかりな工事となりました。

また、1階部分の屋根は2階の窓から見ることができますが、2階の屋根は地上からはほとんど見えないため、普段から劣化や雨漏りの兆候に気づきにくいという問題もあります。

今回は、既存の屋根材をすべて撤去し、防水紙（アスファルトルーフィング）と傷んだ野地板も取り外し、新しい野地板を張り直したうえで、防水シートをしっかりと施工しました。
これらの作業を一日で完了させる必要があり、非常にタイトでハードな工事スケジュールでしたが、職人一同、安全第一で丁寧に作業を行いました。

今回の雨漏りの主な原因は、以前に施工されたアスファルトルーフィングの施工不良でした。
そのため、お施主様も雨漏りに対してとても敏感になっており、「本当に大丈夫か」「また漏れてこないか」とご不安な様子でした。

私たちはそうしたお施主様の不安を少しでも和らげるために、施工中や施工後にも都度、現場の様子をご覧いただきながら、工程を丁寧にご説明させていただきました。
専門用語をかみ砕いてわかりやすくお伝えすることで、「この施工内容なら安心できますね」と納得していただけたことが何より嬉しく思います。

屋根の不具合というのは、普段目に見えない部分で起きるため、お施主様自身が「どんな状態なのか」「どう対処されているのか」が分かりづらく、不安を感じるのも当然です。

だからこそ、私たちは「現場で、目で見て、実際に説明する」ことをとても大切にしています。
どんなに丁寧な仕事をしていても、伝わらなければ意味がありません。
お客様に安心して暮らしていただくためにも、これからも一つひとつの施工に責任を持って取り組んでまいります。