2026.10.02
今回は沼津市内の住宅地にお住まいのお客様から「屋根の上のほうからモルタル片のようなものが落ちてきた」というご相談をいただき、現地調査にお伺いした際の事例をご紹介いたします。 放置厳禁!登り棟・本棟のモルタル劣化が引き起こすリスク 瓦屋根の「登り棟」や「本棟」の部分は、のし瓦の下を…
日本の伝統的な住宅で多く見られる「瓦屋根」には、瓦ならではの素晴らしい良さがたくさんあります。例えば、雨の日の音が静かで聞こえにくいこと、高い断熱性によって太陽の熱を室内に通しにくいこと、そして何よりもお家全体にどっしりとした気品ある重厚感が出る点など、多くの魅力が詰まっています。
しかし、構造的な視点から重量を見てみると、瓦は素材自体の重さがあります。一般的な和瓦などの場合、瓦そのものの重さは「1坪あたり約165kg」ほどになります。建物の大きさや構造によって屋根の面積は異なりますが、仮に屋根面積を一般的な30坪として計算してみると、 165kg × 30坪 = 4,950kg となり、なんと普通乗用車約2台半分の重量が常に屋根の上にドンと載っている状態になるのです。
これに対して、現代の屋根リフォームで大人気の金属屋根材「ガルバリウム鋼板」は、同じ30坪で計算すると1坪あたりわずか約17kg。つまり、 17kg × 30坪 = 510kg となり、瓦屋根の重量の約10分の1という驚異的な軽さを実現できます。
今回の工事では、重たい洋瓦葺きからスタイリッシュな鋼板ガルバリウム葺きへと屋根を丸ごと替えることで、これまで普通自動車約2.5台分(約4.9トン)もの重さがかかっていた状態から、軽自動車約1台分(約0.5トン)ほどの重量へと劇的に軽くすることに成功しました。
地震が起きて地面がグラッと揺れたとき、建物は左右に大きく揺すられるだけでなく、直下型地震であれば上下にも激しく突き上げられます。このとき、お家の最上部である「屋根」が軽くなっていればいるほど、建物全体を支える柱や梁にかかる遠心力や負担を大きく軽減させることができます。つまり、屋根の軽量化こそが、木造住宅の耐震性を高める上で非常に大きな効果を発揮するのです。
それでは、実際の施工の流れに沿ってわかりやすくご説明していきましょう。
まずは、これまでお家を守り続けてきた重たい既存の瓦をすべて丁寧に撤去し、下地となる新しい野地板(のじいた:木製の合板)をしっかりと上から敷設して屋根全体を頑丈に補強します。
その上から、「アスファルトルーフィング」と呼ばれる非常に重要な防水シートを隙間なくしっかりと張り詰めていきます。この防水シートを重ね合わせていく作業は、雨水の侵入を防ぐために特に念入りに行う必要があります。屋根は年間を通じて直接強烈な太陽の光を受けるため、真夏の炎天下ともなれば屋根の内部やルーフィングは超高温状態が何度も繰り返されることになります。そのため、ルーフィングが受けるダメージは相当なものとなります。だからこそ、過酷な気象条件や長年の耐用年数にしっかりと耐え抜くことができる、高品質で良質な製品を使用しなければならないのです。
屋根の一番高い頂上の部分を「棟(むね)」と言います。この棟の部分におけるルーフィングの重ね方や、雨水を上手に逃がす「雨仕舞(あまじまい)処理」をどれだけ妥協せずに行うかが、将来にわたって長く雨漏りを防ぐための最大のポイントとなります。
瓦やカラーベスト、そして今回採用したガルバリウム鋼板などは、あくまで一番外側にある「屋根材」という位置づけです。その屋根材の下に必ずアスファルトルーフィングが敷いてあり、「万が一雨水が入り込んでも、この防水層より下には絶対に水を通さない」という最後の砦となる大切な防水層の役割を果たしています。
そして、この大切な防水層自身が、太陽の熱や紫外線、そして直接の雨風からダイレクトにダメージを受けて劣化してしまわないように、私たちが普段目にする外側の「屋根材」がしっかりとプロテクトして守っているのです。外側の屋根材と内側の防水層、その両方がしっかりと機能して初めて、お家は雨漏りから守られています。
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