折板屋根の大きなメリット：長尺材で継ぎ目のない施工が可能

折板屋根は敷地の状況に合わせて、「相当な長さの一枚もの」を製作できます。
そのため、建物の片側から反対側まで、ジョイント（継手）を作らずに施工できるケースが多く、雨漏りのリスクを大きく軽減できます。

もちろん屋根の形状によっては重ね合わせ部分こそありますが、基本的には継ぎ目がないので、長期間安心してご使用いただけます。

水の流れも建物に合わせて調整

施工時の基本構造：タイトフレームと剣先ボルトとは？

折板屋根の施工では、まず「タイトフレーム」と呼ばれる金属製の支持部材に、剣先ボルト（けんさきボルト）を取り付けます。
剣先ボルトはその名の通り“先端が尖った特殊ボルト”で、折板屋根を下地にしっかり固定するために使用されます。

折板を所定の位置に載せたら、剣先ボルトで一枚ずつ貫通させながら固定していきます。
その後、雨水の侵入を防ぐために防水ワッシャーを挟み、ナットでしっかり締め付けます。

仕上げには、ワッシャー・ナット・剣先ボルトの頭を守るため、樹脂製キャップを取り付けます。
このキャップは雨水や紫外線から金属部分を保護し、サビや劣化を防ぐ大切な役割があります。

意外と多いトラブル例：アンテナの支線固定には要注意

折板屋根では、テレビアンテナや無線アンテナの支線を、剣先ボルトに絡めて固定してしまっているケースをよく見かけます。

しかし、これは剣先ボルトに余計な負荷をかけてしまい、長期的には劣化の原因になる可能性があります。
さらに、ボルト周辺の負荷や振動によって雨漏りを誘発する場合もあり、実は注意が必要なポイントです。

長持ちさせるためのポイント：定期点検が必須です

折板屋根は丈夫で長持ちする屋根材ですが、外部環境の影響を強く受けるため、定期点検が非常に大切です。

• 建物が新しいうちは 3年に一度の点検

• 築10年を過ぎたら 毎年の点検 を推奨しています

専門の職人が屋根の状態をチェックすることで、小さな不具合も早期発見でき、雨漏りや大規模な修理を未然に防ぐことができます。

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